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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

自宅訪問サービスについて(3)

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

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 自宅訪問サービスは、行政による、自宅に住んでいる高齢者(あるいは障害者)支援の一例だが、その他にも様々な支援がある。
 

Transport services。このサービスは、公共の交通機関で移動するのが困難な人に対して与えられるサービスである。
最も一般的な補助としては、補助タクシーがある。このタクシーは年間で67回利用が可能で、利用者は一回につき60クローナを支払うが、月の最高額は360クローナとなっており、それ以上は支払わないでよい。
このサービスは、一般の人々 が地下鉄を使うのと同じ費用で、体の不自由な人も移動できるように、というアイディアに基づいている。高齢者の特別施設高齢者が居住するための特別な施設を提供するサービスである。

以下のグラフで示すように、このサービスの利用者は、90歳 以上になると激増するが、69歳から80代まではそれほど多くはない。多くの65歳以上の高齢者が特別施設ではなく自宅に住んでいることを示している。このことからも、自宅に住む高齢者を支援する自宅訪問サービスの重要性が伺える。
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スウェーデンの高齢者支援の費用は、80%以上が地方政府の税収でまかなわれている。またスウェーデンの中央政府もわずかながら費用を負担している。約4%が個人の負担となっている。
2005年のデータによると、政府が高齢者支援に対して出資した額は、80,3 billion SEK(Krona)となっている。
 

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スウェーデンは高齢者に対して政府が様々な手厚い支援を行っている。このエッセイで主に述べた自宅訪問サービスを始めとして、特別施設や、Transport serviceなど、高齢者(あるいは体に不自由のある人)の社会生活を前面的にバックアップするこれらの支援は、北欧ならではのものであろう。
多くの高齢者が老後も自宅で暮らしたいと願っている状況の中で、自宅訪問サービスのサービスは非常に重要な役割を持っている。

しかし近年は、サービスを受けるための申請が通りにくくなり、家族からのサービスに切り替えるなどの変化から、この自宅訪問サービスを利用する割合も減少してきつつある。

また、高齢化から、将来自宅訪問サービスに携わるスタッフの減少により、サービスの質的・量的低下が懸念されている。
このような状況の中、スウェーデンは今年の9月に新しい政府を迎えた。これまで福祉を全面的に支援してきた政党に代わり、新しい保守政党は、税金の削減と同時に、福祉全般の予算を削減する方針だ。

自宅訪問サービスのみならず、その他の行政による福祉サービスにも多くの変化が出てくることが予想される。福祉国家として名高いスウェーデンはこれからどういう方向に進んでいくのかが注目されるとこだろう。

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