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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

スウェーデンの年金制度(1)

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

 

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スウェーデンの年金制度は右のような、1st、2nd、3rd の3つの柱(Pillar)で構成されている。                      
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1st Pillar     
まず1番目の柱(1st Pillar)について説明したいと思う。この1st Pillarの部分は、スウェーデンで仕事をする人すべてに支払いが義務付けられている。まず1番下の0Tier部分は、一律に保証された年金である。スウェーデンに40年以上住んだ65歳以上の人すべてに保証された年金であり、税金によってまかなわれている。仕事をまったくせず、40年間税金をまったく払わなくてもこの年金は保証されているため、Guaranteed Pension と呼ばれる。

1st Pillar の真ん中の層と一番上の層(1st Tierと2nd Tier)は、雇用者によって政府に支払われ、被雇用者は退職後、年金として受け取ることができる。雇用者は、全体で被雇用者の給料の16パーセントにあたる額を1st Tierに、給料の2.5パーセントにあたる額を2nd Tierに支払う。全体として、被雇用者の給料の18.5パーセントにあたる額が政府に年金として支払われる。
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例えば、被雇用者の月の給料が1000クローナであると仮定する。そうすると雇用者は、1st Tierに185クローナ、2nd Tierに25クローナ払わなければならない。図で示すと以下のようになる。 


1st Tierに支払われる16パーセントは、Pay As You Go (PAYG) システムに使われる。PAYGシステムでは、働く世代が年金世代の 年金を支払う、という仕組みになっている。

一方2nd Tierに支払われる2.5パーセントは、直接個人の年金 口座に貯蓄され、この制度は、Premium Pension Scheme(PPS)と 呼ばれる。個人は、この口座のお金をファンドなどに自由に投資 することができる。この際、マーケットのレートに基づいて利益 が口座に入ってくる仕組みになっている。このような民間の投資 を選ばない場合は、そのお金を政府が運用することができる。

もともとスウェーデンにはPPSは存在しなかったが、90年代終わ りの年金制度改革によってこのような新制度がもたらされた。
高齢化社会のスウェーデンでは、将来的にPAYGシステムを続ける のは困難だと考えられている。働く世代に比べて年金受給世代人 口が多くなると、働く世代の個人にかかる負担が大きくなるためである。このような現象は、同様に高齢化社会の進む他のヨーロッパの国々、日本を含め、先進諸国でおきている。スウェーデンはヨーロッパ諸国の中で先駆けて、PAYGシステムから、自分の年金は自分で貯蓄するというPPSへの移行を始めている。将来的には、
PAYGシステムからPPSへの全面的移行を目指している。 

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2nd Pillar
次に2nd Pillarについて説明したい。この部分は、すべての労働者に対して支払いは義務付けられていない。しかし実際多くの
労働組合がこの支払いを義務付けているため、その労働組合員であれば賃金の2?5パーセントにあたる額を年金として雇用者
が、年金を運用する特定の企業に支払う義務を負う。実際90パーセントの労働者がこの部分を支払っている。この部分を運営
するのは政府ではなく、労働組合によって指定された民間企業となる。

3rd Pillar
3rd Pillarは完全に労働者個人の意思によって年金を支払う。年金ファンドや、生命保険会社や銀行がこの部分の年金運用を
担当する。  
 

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