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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

シニアのためのハイテク生活補助ツール(1)

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

前回はスウェーデン高齢者住宅事情についてご紹介いたしました。
第8弾の今回は、シニア向け生活補助ツールについてお伝えいたします。

シニアのためのハイテク生活補助ツール  

シニアのための生活補助ツールというのは様々である。その多くは身体的な障害をサポートするものである。
現代においてはさらに、認知症をサポートするための特別なツールも普及し始めている。

その多くは、多かれ少なかれハイテクな機能を持ったものである。スウェーデンでは、
具体的にどのようなハイテク生活補助ツールが活用されているのか。

『生活補助ツール研究所(=Hjälpmedelsinstitutet、以下HI)』より発行されている
パンフレットをレポートしたい。

このパンフレットは、HIより2007年に発行されたもので、2004?2007年にかけて
テクニカルな生活補助ツールの普及を図るための『技術と認知症』プロジェクトを経て
作られたものである。

このプロジェクト及びパンフレットの目的は、
ハイテクな機能を持つ補助ツールが普及し、認知症のシニアが自立して、
安全な日常生活を送るための助けとなることである。

このプロジェクトは、『HI』、『スウェーデン・アルツハイマー協会(=Alzheimerföreningen)』
『認知症ユニオン(=Demensförbundet)』、そして『スウェーデン国立相続フォンド
(=Allmänna arvsfonden)』の協力によって進められた。

スウェーデンでは、医師や病院によって必要と認められたシニアに対しての
生活補助ツールの貸し出しは、国によって無料で行われる。

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そして、ツールを必要とする人々にそのツールを提供する責任は、
市町村・自治体にある。通常はその二つの機関が協力し合って、
責任分担を決めている。

しかしながら、認知症のシニア用のハイテクツールの支給というのは、
比較的新しい分野である。

そのため認知症のためのツールに関しては、どの機関がその支給に
関して責任を持つかというのが一部はっきりしないという現状もある。

認知症のためのハイテクツールの具体例

以下は、このパンフレット内で紹介されている様々なテクニカル補助ツールの具体例である。

時間管理の補助ツール Tidshjalpmedel

時間の管理ができなくなることは、日常生活において大きな障害となり、
活動的で自立した生活をするための妨げとなる。時間管理のための補助ツールの種類はたくさんあり、
人によってどういったツールが適しているかは異なってくる。

1) カデックス、腕時計型  Cadex, armbandsklocka

デジタル腕時計型アラームで、12種類のアラームを設定することができる。
情報を入力しておくと、必要な時間にデジタルのテキストメッセージとして表示される。

2) デイ・ナイト カレンダー型  Dag och Natt, kalender

エレクトリックのカレンダーで、現在の日にち、時間、昼・夜の別を表示する。

3)『思い出して!』アラーム時計  KomIhagKlockan

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必要な事を思い出させるための時計で、スピーカーで音が出る機能がついている。
ボタンを押すことによって、現在の日にち、時間、昼・夜の別を自動的に知らせる事もできる。
必要なメッセージや情報を入力しておくと、あらかじめ設定した時間に自動的に読み上げられる。

探し物を見つける補助ツールAtt hitta borttappade saker

細々したものの置いた場所が家の中で思い出せなくなったときのための補助ツール。
全ての種類はあらかじめ色々な設定をすることができる、
比較的シンプルな作りの電池を使用しているアラーム装置である。

まず、アラーム装置本体をカバンの中または、家の中のある決まった場所においておく。
そして置いた場所がわからなくなってしまいやすい小さなもの、たとえば鍵、携帯電話、
眼鏡、財布などにアラームをつけておく。

そして、何かが見つからないときに、そのアラーム装置本体のボタンを押すことで、
アラームのついた物の場所がわかる、という仕組みである。

 1)フォーファ Fofa

鍵や眼鏡など、なくしてしまいがちな小さなものにつけるアラームツール。
それぞれの物にアラームをつけておき、必要なときにアラーム本体のボタンをおす。
例えば『鍵』と書かれたボタンを押すと、鍵のアラームがなり光が点滅する。
10メートル以内の範囲で有効。

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2)フィン・イエン Finn Igjen

一つのアラーム本体に4つの色の異なるボタンがついている。
アラームを、あらかじめなくしがちなものにつけておく。
なくしたものに付けているアラームの色のボタンを押すことで、
アラームが鳴り、光る仕組み。有効範囲は9メートル以内。

録音・再生ツール Att spela in och spela upp meddelanden

メッセージを録音・再生するツール。これらは、シンプルな作りのものから少し複雑な装置まで色々ある。
一つの例としては、手のひらサイズのコンピューターでミーティング時間など設定した情報を
設定した時間にシグナルまたは音声で知らせる。

また、単純に電池で動くシンプルな装置もあり、その場合はボタンを押して、
20秒?1分ほどの短いメッセージを録音することができる。
再生は自分で行う(自動再生ではない)。

1)ビックマーク BIGmack

短いメッセージを録音、再生することに適している。音量の調整ができる。電池によるもの。

2)ハンディ・コンピューター Handi dator

手のひらサイズのコンピューターで、個人に適するようにプログラミングすることができる。
音のシグナルや音声による再生が可能。
また、ディスプレイでミーティング時間や重要な電話番号などを表示することができる。
重量約170g。

3)ボイセク VoiSec

音声による記憶装置として使用することができる。
例えば、玄関口や冷蔵庫などにつけたり、散歩中にポケットに入れて持ち運んだりする。
録音可能時間は1分。マグネットやフックがついており、固定することができる。直径42mm。

4)マイルストーン Milestone, fickminne

クレジットカードサイズのマイルストーンは、内臓スピーカーとイヤホン用の差込口がついている。
騒音の激しい環境やささやき声でも録音することが可能である。交換可能な内臓バッテリー付。
150分の録音可能時間。

続きは、次回更新をお楽しみに!
 

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