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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

シニアのためのハイテク生活補助ツール(2)

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

前回に引き続き、スウェーデンのシニア向けハイテク生活補助ツールをご紹介致します。

シンプル化されたリモコンFörenklade fjärrkontroller

複雑な機能を最小限に減らし、シンプルになったリモコンもたくさんの種類がある。機能やボタンの数は少ないものから多いものまで色々あるが、ほとんどの場合、個人のニーズに合わせてリモコンボタンの内容を個人で設定することができる。

  1. 1. リモコンFjarrkontrollどういった機種にも対応できるユニバーサルなタイプのリモコンで、通常のリモコンより多少大きめのサイズにできている。ボタンは10個あり、個人のニーズに合わせての設定が可能である。ほとんどのテレビ、DVDプレーヤー、CDプレーヤー、デジタルボックスなどに対応している。
  2. 2. リモコン大サイズFjarrkontroll, storこのリモコンは16個の大きめなボタンがあり、それぞれを設定することが可能である。また、そのボタンをイラストやテキストなどで使いやすく表示することもできる。

電話ツールTelefonhjälpmedel

認知症のシニアにとって電話を利用しての会話やコミュニケーションに対するヘルプのニーズは大変数多く、そして時代によって変化する。そのニーズは、個人個人の認知症の進度によっても異なり、またそれまでその個人がどのような電話の機械を利用していたかにもよる。
電話ツールは様々な方法で認知症のシニア、またはその周囲の人々の毎日をすごしやすく、快適にしてくれる。その機能には、たとえば、コンピューターからメールを利用して携帯電話に情報やシンボルを送ること、などがある。

また、電話の機能は様々な方法で単純化することができると考えられている。例えば、ボタンの数をもっと少なくし、見やすくすることなどが考えられる。家庭電話においては、大きなキーボードを取り付けることができる。ボタンにはイラストやシンボルが表示され、そのボタンを押すことで、イラストやシンボルで示唆された相手に電話をかけることができる。市販の電話で、比較的大きめのボタンを持つ機種も出回っている。また、ナンバーディスプレイも電話をかけることをより容易にする助けのひとつとなっている。

  1. 1. フィロフォーンPhilophone携帯電話用の『シェル(ケース)』。いくつかの機種の携帯電話は、この『シェル』に入れ、それと接続することができる。そうすることで通常の携帯電話の外見は、シンプルなものとなる。この新しい携帯電話には単純な機能のみがあり、4つまたは12個のわかりやすいボタンがあるだけとなる。
  2. 2. メモ・コマイMemo Comaiメモ・コマイは携帯電話にインストールすることができる機能である。使用者は自分で、または身近な人と一緒に、自分の活動の予定や忘れてはいけないメモなどをあらかじめパソコンのカレンダーに入力する。必要に応じて、イラストとテキストのどちらを使用するかを選ぶことができる。パソコンに登録した予定などの情報は指定した日時にメール機能を通じてイラスト、テキスト、またはシンボルなどで携帯電話の画面に表示される。
  3. 3. スーパーボタンJatteknappen固定電話などに接続することができるキーボード型のプッシュボタンで、電話をかけるときの番号入力を簡易化してくれる。キーボードにはイラストや写真などの表示のみ。そのイラストや写真のボタンを押すことで、電話をかけることができる。電話番号はあらかじめ登録しておくので、毎回番号を入力する必要はない。
  4. 4. イージー・ファイブEasy 57つの大きなボタンだけがついている小さめな携帯電話。『電話をかける』ボタンで会話を開始し『電話を切る』で会話を終了する。登録できる相手先番号は5つのみ。

アラームLarm

  1. 1. 安全アラームTrygghetslarm (aktivt larm)この安全アラームを利用して、緊急事態において『救急センター』、または『介護ヘルパー』に直接連絡することができる。アラームは電話を通じて機能し、通常アラーム自体は使用者の手首または首に取り付けるようになっている。
  2. 2. ビバーゴVivagoアラームは手首に取り付けるようになっており、普通の腕時計のような外見。時計部分の下には使用者の日中の身体活動を感じ取るセンサーがついている。ボタンを押すことによって、使用者の身近な人、またはアラームセンターに連絡が行く。また、センサーが自動的に異常な身体活動、例えば貧血、血液中の等分の激しい低下、または心臓発作などを感じ取った場合も連絡が行くようになっている。アラーム使用者はどの言語でアラームが発信されるかを選ぶことができる。

リラックスツールAtt få avkoppling och stimulans

家庭において、認知症のシニアに刺激を与えるためのヘルプツールもある。

  1. 1. おしゃべりアルバムTalande fotoalbum最高24枚(1枚の最大サイズは10x15cm)の写真を収納するスペースがある。それぞれの写真の下のボタンを押して、メッセージを録音することができる。そして、後にそのメッセージを再生することができる。録音ボタンと再生ボタンを間違えないために、テープで録音ボタンを見えなくしたり、再生ボタンを赤や黄色の色で目立つようにマーキングしたりするとよい。
  2. 2. 車椅子ゆりかごRullstolsvagga床に設置することのできる自動『ゆりかご』装置。車椅子などで、その『ゆりかご』エリアに行き、ボタンを押すことで、『ゆりかご』が動き、ゆりイスのような状態になる。アメリカの研究によると、認知症の方はゆりかご(またはゆりイス)に座ることで大変落ち着くということである。
  3. 3. DIYピクチャープレーヤーDo-it-yourself-Picture gramophoneカラオケ機械の一種で、それぞれのイメージボタンを押すことで、曲を選択することができ、カラオケを楽しむことができる。あらかじめイメージ写真と曲の設定を行う必要がある。

まとめ

さすがハイテクスウェーデンというべきか、高齢者社会スウェーデンというべきか、福祉国家スウェーデンというべきか・・。アナログのヘルプツールだけでなく、ハイテクなツールの開発も大変進んでいる。ハイテクなツールを使いこなすためにはシニア側またはシニアの周りの人々にもある程度の下地が必要と思われるが、比較的単純なもので便利なものもずいぶん多く開発されているようだ。『シニア向け』といっても、デザインも優れている。シンプルな中にも高いデザイン性を持ち、『持っていても恥ずかしくない』というのは利用者に喜ばれる重要なポイントのひとつではないだろうか。

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