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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

冬のヘルプツール

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

はじめに

スウェーデンには日本ではあまり普及していないタイプの歩行器など様々なお年寄り向けのヘルプツールがあります(2007年8月14日付けレポート)。また、ハイテク生活補助ツールも利用が進んでいます(2008年7月28日および8月26日付けレポート)。このようなツールはお年寄りの自立生活を支える上で重要な役割を果たしています。今回のレポートでは、お年寄りだけのためのツールというわけではありませんが、暗くて雪の降る冬の時期に役立ついくつかの補助ツールを紹介したいと思います。
 

靴の滑り止め

路面が凍る今の時期、外に出かける時に役に立つのが靴の滑り止め(Halkskydd)です。通常の靴の底にかぶせるようにして装着する滑り止めが普及しており、転倒して怪我をすることを防ぐのに役立っています。
 
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靴の滑り止め
 
日本人にとっては外見などに抵抗があるかもしれませんが、スウェーデンの人は概して質素な格好をし、実用を優先するところがありますので、このタイプの滑り止めも抵抗なく普及しているようです。ラインナップも豊富で、見た目がスポーツタイプのもの、装着しても目立たないものなど色々あります。
 
滑り止めといえば、ストックホルムでは冬になると歩道に砂利が撒かれます。これは滑り止めのためで、春になるとその砂利を回収します。道路が砂利でいっぱいになり見た目は綺麗ではありませんが、実用の点では申し分なく、有効な滑り止めになっています。
 
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歩道にまかれた滑り止めのための砂利
 
これももちろんお年寄りのためだけというわけではありませんが、行政によるこのような細かなサービスがお年寄りの一人での外出を促し、自立した生活を間接的にサポートしていると言えると思います。
 

ウォーキング用スティック

スウェーデンでは森の中などを歩くトレッキングが盛んです。その際よく使われるのが、ウォーキング用のスティック(Gångstavar)です。これは杖のようにして使うものではなく、スキーのスティックのように両手に持ち、歩行の際のサポートとして使います。スティックはアルミでできているものが多く、軽くて持ちやすいです。また、先端はゴムでできており、道路上で横滑りしにくくなっています。このウォーキング用のスティックは森の中での本格的なトレッキングだけではなく、家の近所を散歩する際にもよくつかわれます。この杖を使って軽やかにウォーキングしているお年寄りに出会うと、あいさつの声も思わず明るく大きくなります。
 
ウォーキング用スティック
写真:フレドリック・サンドベリィ
 

反射板

朝夕が暗い冬の時期、日本と比べて外の明かりが少ないスウェーデンでは、外を歩く際に安全を確保する必要があります。そのようなときに役に立つのがアクセサリー感覚で身につけることができる反射板(Reflexer)です。自転車についている反射板のようなもので、自分の存在を自動車のドライバーなどに知らせることができます。
 
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反射板のデザインはトナカイ、お化け、雪の結晶、ハート型など様々で、おしゃれに身につけることができます。先日歩行器にいくつもの反射板をつけているお年寄りに出会いましたが、彼女の好きなものをそろえたのでしょうか。個性的で何とも素敵でした。最近は日本でも輸入されているので、日本でも購入できます。
 
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様々なデザインの反射板
 

まとめ

街を見ると幅広い年齢層でここでご紹介したグッズが使われており、かなり普及していると言えます。今回ご紹介したヘルプツール(グッズ)はお年寄りのためだけのものではありませんが、お年寄りの一人での安全な外出をサポートし、自立を促すためにも役立っています。行政によるシステム作りも重要ですが、こういった日常生活の中の小物もお年寄りの生活のサポートのために大切だと思われます。 

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